抄録
本論文の主眼とする點は表面及空間コロナ放電圖形を求める方法と其を碍子閃絡其の他の空氣中閃絡現象研究に應用すると云ふ事である。所謂Lichtenberg figureとして知られて居る表面コロナ放電圖形は從來殆ど或る一定の電極配置に於いて、又は多少の電極配置の變化こそあれ、實用上主として電壓極性の判別、電壓最大値の測定等の限られた目的に使用されて居たが、之を實際の碍子等の表面に於いても求め得られる事を述べ、更に一歩を進めて表面放電圖形のみならず空間コロナ放電圖形をも容易に取り得る事實を示し、且つ電極配置、電極の個數等も自由になし得るが故に、此の方法に依つて實際の碍子、套管等の閃絡直前の放電の模樣を甚だ明瞭に知り得る事を示し、最後にコロナ放電圖形を利用して直接雷撃に對する避雷針の効果を判定する簡單な實驗法に就いて述ベてある