種々の温度を有する大氣中に曝されたるオイルドペーパーを、變壓器油、キシロール•ペテロラタム等の内に於て試驗する場合は、紙と電極との間に分在する油の局部破を考慮に取るぺき事を論じて居る。
然して、此等の試驗結果に於て、特に、筆者の注意を惹ける現象は、直流で測った絶縁耐力が、濕度に對し頗る鋭敏である事、充分乾燥せるオイルドペーパーの直流による破壞電壓は、紙をキシロール内に入れた瞬間に於て、著しく低下する事、充分乾燥せる紙をベテロラタムで固めた場合の直流破壞電壓は、攝氏5度附近に於て、最大値を占むる等の事貴である(事及び非常に濕つた紙をペテロラタムで固めた場合の破壞電壓は、交直流共攝氏40度附近で最小値を占める事)
最後に、ペテロラタムで固めた場合の、直流と交流(實効値)との絶縁耐力の比は、攝氏5度附近に於て、最大値を占め、その時の比は約2.5となるも、温度の上昇と共に、その比は減少し、寧ろ1以下となる事もあり得る事を認めて居る。
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