電氣學會雜誌
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固體誘電體の熱破壞に就いて
中西 勝治
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1936 年 56 巻 578 号 p. 967-976

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抄録

固體誘電體の熱破壞に關して,理想的な場合に就いては完全な理論式があり,實驗によつて證せられて居る。比較的低温部に於ける實驗は不充分であつたが,米國のMoon及びNorcross兩氏は詳細な實驗結果より,低温部の電氣破壞と高温部の熱破壞の間に,熱破壞理論とは一致しない範圍のある事を見出して,中間區域と稱した。其の破壞理論は不明であつた。此の事實に就いて其の後討議が行はれたが,問題は不明のまゝ殘されて居る。著者は硝子試料に就き詳細な實驗に依つて,斯かる範圍の存在する事及び其の破壞は熱的なる事を確め,且つ電解成極現象の電壓效果を考慮して,熱破壞理論を擴張する事によつて説明を試みた。

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