抄録
使用済み飲料用缶のリサイクルは,ゴミの減量化を促進するだけでなく,限りある地球資源やエネルギーの節約にも有効である。一方,缶のリサイクルを向上させるためには様々な課題を解決する必要がある。その中の一つに,缶表面に施されている塗料の成分(チタンやカドミウムなど)が再生後の金属に混入するため,純度低下の原因になるという問題がある。このため,缶を溶解する前に塗料の除去が望まれており,薬品を用いた塗料除去法などが提案されている。しかしながら,回収される缶の量は膨大なため溶解前に細かな選別作業を行うことは困難であり,塗料除去の不必要な缶に対しても薬品による除去処理が施されているのが実状である。従って,必要以上の薬品が使用されている可能性が考えられる。そこで本研究では,塗料除去を必要とする缶の自動識別法の開発を目標とし,その基礎研究として,フォトリフレクタを用いた識別の可能性について検討を加えたので報告する。