照明学会 全国大会講演論文集
平成15年度(第36回)照明学会 全国大会講演論文集
セッションID: 88
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明視環境評価法における字体の取り扱い
*秋月 有紀井上 容子
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抄録

本報の目的は字体が読み易さに及ぼす影響について検討し、明視性評価法への取扱いについて示すことである。検討する字体は、文書視標で使用頻度の高い明朝体・ゴシック体・教科書体である。被験者は均一に照明された実験室の中で視標面照度3.0から5000lxの条件下に10分間順応し、文書視標を45秒間読後、その読み易さに関する主観評価を行う。被験者は眼の疾病がない若齢者15名(平均22才、平均最大視力1.9)と高齢者30名(70才、0.93)である。文字が記載されている領域に対して文字部が占める面積の割合を文字部面積比と定義し、明朝体の文字部面積比に対する各字体の比を求め、その平方根を明朝体に対する字体係数とする。ゴシック体は1.27、教科書体は0.92であり、この値は縦方向の線幅比とほぼ等しい。相対視力RAは明朝体と字体が異なっても適応可能である。背景輝度0.83cd/m2やRA≦3.0では、ゴシック体の読み易さが最も高く、教科書体の読み易さは低い。一方、背景輝度220cd/m2以上でRA≧6.2では、過剰な状態に対する違和感を感じてゴシック体の評価が低下する。なおRA≦4.6では字体係数で読み易さに対する字体の影響を取り扱うことが可能である。

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© 2003 照明学会
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