照明学会 全国大会講演論文集
平成15年度(第36回)照明学会 全国大会講演論文集
セッションID: 89
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輝度コントラストと輝き感、まぶしさ感の関係
*中村 芳樹吉田 紗英子
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抄録

光源や反射面の輝き感は、光環境デザインに重要な要素である。現実の光環境デザインに使用可能な、複雑な輝度分布の中での輝き感を、輝度のコントラスト・プロファイルと対象輝度を用いて予測するために、単純な視対象を用いた被験者実験を行い、基礎データを収集した。実験では、均一輝度をもつ視対象を設定し、その輝度、大きさ(視角)、周辺輝度(均一70度視野)を実験変数とし、被験者に、視対象の輝き感、まぶしさ感、明るさ感を評価させた。実験の結果、輝き感は明るさ感に比べて、輝度比、大きさの効果が大きいことが明らかになり、また、輝き感を予測する実験式を導出することができた。一方、まぶしさ感は、対象領域から感じるものと周辺領域から感じるものがあり、対象領域のまぶしさ感については、そのまぶしさ感を予測する実験式を導出できたが、周辺領域からのまぶしさ感については、対象との輝度比が大きいとまぶしさ感が減少するという現象が見られ、これは周辺領域に及ぼす対比の効果がまぶしさ感に強く影響していると解釈でき、鉛直面照度のような、目に入射する光束を考えるだけでは、まぶしさ感が説明できないことが示された。

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© 2003 照明学会
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