抄録
一般民生用照明光源として広く用いられている蛍光ランプは,商用周波数での点灯に加え,近年では高周波(HF)点灯や調光など,多種の動作モードでも使用されるようになってきた.蛍光ランプの寿命は,タングステン電極表面に塗布されたBaを主成分とする酸化物の多数回のスイッチング及び長時間の放電による蒸発・散逸が,その主要因である.しかしながら,HF動作のみならず,商用周波数においても,これら電極塗布材料の蒸発過程や,それが放電特性に与える影響について明らかにされていないのが現状であり,粒子挙動計測を通じた蛍光灯放電機構の解明が強く望まれている.
本研究では,レーザー誘起蛍光(LIF)法を用いて,蛍光ランプの電極から放出されたBa原子の時間的・空間的分布を観測して,その動特性を明らかにし,様々な動作モードでの蛍光灯の長寿命化・高効率化について知見を得る事を目的として研究を行った.
現在までに電極の極性反転の際にBa原子の密度ピークが存在すること,Ba原子の放出は主にアークスポット部からの熱蒸発が主要因である事が明らかになった.放電電圧や圧力などのパラメータを変化させた場合の,Ba原子密度の変化や電極からのBa原子放出過程について詳細に述べる予定である.