抄録
本研究の目的は、目立ちを喚起させる輝度分布の特徴を明らかにすることである。注目微小領域ごとの目立ち知覚予測値の分布を、擬似カラーマッピングにより画像化する「目立ち画像」生成技術を確立した。被験者20名による主観評価実験が行われた。実験結果は、中村らによるwavelet解析を応用したコントラストプロファイル法により、うまく説明することができた(自由度調整済み重平方相関係数=0.90)。目立ち予測式は、輝度分布画像を離散wavelet関数「symlet6」により分解してえられる値を説明変数とし、被験者の評価結果の平均値を被説明変数として、重回帰分析を実行することにより導出された。本研究の成果は、直ちに照明設計などに応用可能である。本研究成果を用いれば、空間の一部分を目立たせるために必要な照明の要件を知ることができる。また、前記の照明要件を少ないエネルギーで実現するために必要な知見を得ることが可能である。