我々は実写画像をベースに,遠景・中景・近景のレイヤ構造で表現し,再構成するフォトリアリスティクな3次元画像空間によるコミュニケーションを提案し,マルチメディア・アンビアンスコミュニケーションと名づけている.本論文では,現実の広大な自然シーンを上記画像空間における遠景と中景の構成要素とするためのシーン構造化の一手法として,オリジナルの3眼周囲環境入力装置により取得された自然周囲環境ステレオ画像をもとに,抜け・穴・かすれなどの少ない密なパノラマ視差画像を作製する手法を提案する.本手法ではセンサス変換画像のステレオマッチングを基本に領域競合法を併用することにより,密な視差データを得ることが可能であり,シーンの構造化という目的に即している.