抄録
本論文ではITSにおけるドライバー支援の1つである道路案内標識の認識・理解システムを構築する上で不可欠な標識中の矢印と文字領域の対応付け手法について検討を行った.案内標識には方向を示す矢印と方面・距離を示す文字とが記載されている.本手法では,まず矢印をその形状に着目し抽出する.次に,矢印オブジェクト数と矢先の数による大分類と矢先の方向による小分類を行う.その後,矢先の位置情報などを用いて標識内を領域分割することにより,矢印と文字領域の対応付けを行う.デジタルビデオカメラで撮影した標識のズーム画像65枚を用いて実験を行った結果,標識中の矢先154個は全て抽出でき,その方向も正しく認識できた.矢印と文字領域の対応付けでは62枚が成功し,標識の画像認識・理解システムを構築する上で,本手法の有効性が確認された.