抄録
現在,景観シミュレーションやディジタルアーカイブなど実環境と密接に関連するVR環境の要求が非常に大きくなってきている.しかしながら,多岐に渡る利用可能な実環境入力装置により実環境から得られる多岐に渡るデータや,ネットワークを通じて蓄積・利用可能なデータを,VR環境として提示するのは困難であった.一方,実環境から得られる画像を元にVR環境を構築できると期待されるIBR手法は,写真的リアリティの高いVR環境を構築できるものの画像が撮影された近傍でしか利用できない制限があり,利用者の品質や規模への要求を満たすものになっていないのが現状である. 本論文は,実環境から得られるデータをVR環境として提示するにあたり,体験者視点画像に基づき様々なVR環境の統合を行う手法の提案を行い実証している.個別に構築されたVR環境を一つのVR環境として統合することで,様々なデータ処理に対処できIBR手法の制約を受けないVR環境の構築手法を提案している.体験者の入力に対し,個別に構築したVR環境で体験者の視点の画像を生成し,生成画像を統合することでVR環境の統合を実現している.