画像電子学会誌
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31 巻, 5 号
Special issue on the 30th Anniversary of The Society
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
招待論文
  • 小野 文孝
    原稿種別: 招待論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 745-754
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    本稿では最近注目を浴びている算術符号の画像符号化への適用について考察している.まず,マルコフ情報源の符号化に関し,開始状態に応じてその遷移を求めることで,複数のブロック符号を設計し,これを切り替えて使用する状態混在型の拡大情報源符号化処理の問題点を明らかにし,算術符号化処理の持つ利点を再確認した.続いて算術符号とブロック符号を対比させ,いくつかの事項に関してその対応関係を明らかにした.また,これに関連して算術符号における復号終了条件と復号シンボルの有効性の判定法について明示した.最後に,2元算術符号を多値の情報源に適用する上で重要となる2元情報源への変換をはじめ,画像信号の算術符号化におけるいくつかの設計要素について考察した.
  • 松井 甲子雄, 中村 桂介, 岩切 宗利
    原稿種別: 招待論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 755-761
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    パスポートや各種免許証に添付されている顔写真は個人を特定するために不可欠なデータである.この顔写真をひそかにすり替える不正行為を防止するために電子透かし技術を応用しようとする試みがある.すでにディジタルメディアに対する透かし技術は実用的な研究開発段階にあるが,アナログメディアである写真への透かし技術は多くの未解決問題を抱えた研究段階にあり,いまだ明確な指針が示されていない.そこで,本稿では証明用写真への透かし方式の問題点を整理し,改ざんや偽造の検出,並びに顔認証の方法などについて検討すべき技術的課題を論ずる.
論文
  • 杉山 幸宏, 杉本 和英
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 762-767
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    物体追跡処理に光感応蛋白質バクテリオロドプシンの光電変換機能を利用する,高効率の動画像特徴抽出処理を行うインテリジェントイメージセンサ構築の可能性を検討した.我々の提案するセンサは,バクテリオロドプシン分子を含む受光部と,特徴量分離抽出処理部の2つの機能部位から構成されている.受光部はバクテリオロドプシンの微分型応答特性により,動画像中の背景に模様があっても移動物体だけを抽出する機能があった.しかし,その1次応答出力は,輪郭情報の外の異なる種類の特徴量が重畳されてしまっていた.そこで,特徴量の分離抽出処理を行うことで,移動物体の輪郭,移動方向,および移動物体の領域を抽出することができた.これは蛋白質機能を利用した処理による一種のデータ圧縮である.我々の提案するセンサ構成による蛋白質バクテリオロドプシンの利用は,動画像特徴抽出処理の高効率化に有効である.
  • 田島 譲二, 羽石 秀昭, 小島 伸俊, 塚田 正人
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 768-777
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    実際に存在するほぼ50,000の物体の分光反射率/透過率を収集した ‘色再現評価用標準物体色分光データベース(SOCS)’が,既にJIS-Technical Report1)として発行されているが,これを更に有効に利用できるように,このデータベースから代表的分光特性サンプルの選択を行った.各物体グループの平均的特性を持つTypical setと,Typical setの各サンプルの条件等色対となる特性を持つDifference setである.本論文では,まずその目的と選択アルゴリズムを述べる.また,選択された365の代表的サンプル(235のtypical set sampleと130のdifference set sample)を評価し,(a) typical setを使うことで,各カテゴリの全データを利用したものと同等の色補正行列が決定できること.(b) typical setとdifference setを使うことによって,カラーセンサの分光特性が既知ならば色再現品質評価が容易に行えること. を示した.
  • 小林 正明, 鎌田 清一郎
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 778-786
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    RGBカラー静止画像をR-,G-,B-の三つの色プレーンに分けた場合,各色プレーンごとの画像は高い相関を持つことが知られている.また,各画像は局所領域ごとに異なる性質(コンテクスト)を持つことも知られている.本論文では,これらの性質を利用することにより画像の持つ冗長度を除去しRGBカラー静止画像の可逆圧縮を行う方法について提案する.色プレーンごとに予測変換を行った予測誤差データに対して色プレーン間の相関を利用して予測誤差の色差成分を生成し,生成された予測誤差の色差成分を局所的な性質を利用してコンテクストごとに分離し,分離されたコンテクストごとに符号化を行う.従来手法との比較実験から,LOCO-I, CALICに比べ符号化効率が14%,13%程度改善され,CREWに対して同等以上の符号化効率を実現できることを確認した.また,処理時間はこれらの従来手法より高速に実現できることを確認した.
  • 中山 忠義, 大澤 秀史, 河村 尚登
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 787-793
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    JPEG 2000で採用された(5,3)可逆フィルタは,可逆リフティング演算を用いているが,本論文では,この整数化リフティング演算を実数演算と補正演算に置き換えられる事を示す.この手法をロスレス4点ウォルシュアダマール変換に適用した場合,同様に実数演算と補正演算に置き換える事ができる.この置き換えにより,ロスレス4点ウォルシュアダマール変換の全体像を把握する事が可能になったので,最適なロスレス16点ウォルシュアダマール変換が構成できる事を示す.そして,このロスレス16点ウォルシュアダマール変換を用いたロスレス2次元DCTを提案し,提案方式で変換精度の向上が図れる事を報告する.
  • 中田 崇行, 包 躍, 藤原 直史
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 794-799
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    筆者らは3DHough変換を用いて三次元空間内の立体オブジェクトの位置姿勢5自由度を検出可能な位置姿勢検出法を提案した.本論文はローリングを含む立体オブジェクトの6自由度検出法を提案し,シミュレーションによる結果を報告する.提案した3DHough変換による検出法はエッジ角度を必要としないため,オクルージョンと雑音に対して頑健であるという特徴がある.
  • 包 躍, 吉開 敬治
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 800-805
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    ページめくり機を使用して読書をする場合には機械本体を設置するのに十分なスペースを確保する必要があるが,重度の障害を持っている人たちが使用する際にはそのスペースの確保が困難な場合がある.そこでページめくり機上の書物をCCDカメラで撮影し,ディスプレイを通して使用者に読ませることによって,その問題の解決を図る.しかし,ディスプレイに表示される映像には書物の変形によるひずみが含まれ不自然なものとなってしまう.本論文は書物の上端部および下端部の形状を基にひずみを補正する方法を提案する.補正実験を行った結果によりねじれ的な変形を含む場合にも適切な補正を行えることを確認した.
  • 椋木 雅之, 西口 敏司, 池田 克夫, 美濃 導彦
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 806-814
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,一定の移動パターンを持つ人物を,1台のカメラであらかじめ撮影したテンプレート映像からカメラワークに関する情報を抽出し,人物が同じような移動パターンをとる時に同じカメラワークで自動撮影する手法を提案する.一般に撮影者は,個々の意図に基づいて,わかりやすく見飽きない映像になるようなカメラワークで撮影する.従って,テンプレート映像のカメラワークを再現する事によって,撮影者の意図を反映して画面構成を変化させた映像を撮影する事ができる.カメラワークに関する情報として,撮影対象の幾何学的ずれとカメラワークの時間的ずれを補正するための情報を取得する.自動撮影時には,取得した情報を用いて実時間でずれを補正しながらカメラを操作し,テンプレート映像と同じカメラワークを再現する.提案手法を実装して自動撮影実験を行った結果,7割の成功率でテンプレート映像と同じカメラワークを持つ映像を撮影する事ができた.
  • 京 昭倫
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 815-822
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    車載カメラで撮影した画像情報の有効利用は,自動車の安全運転を支援するシステムにとり不可欠であるが,多様な状況下でいかに信頼性の高いシステムを構築するかという問題がある.本論文では高速道路での安全走行支援を目的に,多数の画像処理手法を併用することで対天候のロバスト性を高めながら,小型の並列画像処理エンジンの利用により,リアルタイム動作を実現した先行車検出・追跡システムを提案する. 本システムの処理は車両候補領域の抽出,検定,そして追跡からなり,各部では複数の画像処理手法の併用により,対天候のロバスト性の向上を計った.エッジ情報を利用した車両候補領域抽出部では,入力画像の平均エッジ量が低い場合,エッジ抽出前にコントラスト改善処理を自動挿入することで,悪天候時でのエッジ抽出精度の向上を計った.また検定処理では濃淡情報と時系列情報の併用,追跡処理では濃淡テンプレートマッチングとエッジプロファイル手法の併用により,コントラストの悪い状況への対応性向上を実現した.対天候のロバスト性向上のために増大した演算量は,独自開発したプログラマブル並列画像処理エンジンの利用でカバーし,それによりシステム全体が最悪時でも秒15フレームの処理速度で動作できることを確認した.高速道路シーンのデータベースを用いた性能評価では,良好な結果が得られた.
  • 新井 康平, 高元 宗一郎
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 823-830
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    カオスニューラルネットワーク(CNN)を用いた画像分類手法を提案する.CNNは通常のニューロンを伴う誤差逆伝搬ニューラルネットワーク(BPNN)に比べ,解の挙動がカオス的になることから局所解から抜け出すことが期待でき,そのため,大域的最適解に到達する可能性が高くなる,すなわち,正解クラスに分類する可能性が高いという特徴を有している.しかし,CNNは設定すべきパラメータ数が多く,その最適化が課題である. 本論文では,その決定方法としてトレーニングサンプル(教師セット)を用いて,誤差逆伝搬する方法と教師セットから分類のしやすさを事前に求め,それを指標としてパラメータを設定する方法を併用することを提案している.CNNとBPNNのシミュレーションデータを用いた画像分類精度の比較において,CNNはBPNNに比し,18.2から54.3%の分類精度が向上したことを確認した.また,実画像としてLandsat-5 TM画像を取り上げ,両者を比較したところ,13.4%の分類精度の向上がCNNに認められた.
  • Kanbin GE, Shunichiro OE
    原稿種別: Contributed Papers
    専門分野: electronics
    2002 年31 巻5 号 p. 831-840
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    Currently, most image retrieval systems are based on low level features of color, texture and shape, not on the semantic descriptions that are common to humans, such as objects, people, and place. In order to narrow down the gap between the low level and semantic level, object-based content analysis, which segments the semantically meaningful object on images, is an essential step. This paper describes a novel image similarity measure approach for image comparison at object categories. It is not only suitable for images with single objects, but also for images containing multiple and partially occluded objects. In this approach, the contour of objects is extracted, and feature is obtained from contours. A machine learning categorization algorithm is used to predict the category of each of object-contour segments. The image is represented in a k-dimensional space, where k is the number of categories of objects in all the images. Each dimension represents information about one of the category. The similarity measure between two images is computed using Euclidean distance between images in the k-dimensional space. Experimental results show that this approach is effective, and is invariant to rotation, scaling, and translation of objects.
  • 安藤 慎吾, 古市 喜則, 中島 真人
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 841-847
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    近年,個人固有の情報である身体的特徴を用いた個人照合方式(バイオメトリクス個人照合)が注目を集めている.その中の一つに,顔を用いた個人照合法がある.これまでに提案されている顔照合手法は,濃淡画像や輪郭画像といった2次元情報を用いる手法が主流であった.しかし,それらは照明環境の変動に弱く顔の向きの補正もできないため,データ取得の際,ユーザーに多くの制約をつけなければ満足のいく照合率が得られなかった.そこで我々は,光切断法により顔の3次元形状を実測し,得られた3次元情報から向きの較正を行い,顔表面の法線ベクトルを複素数表現した特徴量を用いて照合を行う手法を提案する.本論文では,提案する照合方式と本手法の有効性を示すために行った照合実験の結果を示す.
  • 渡邉 恵理子, 稲葉 利江子, 小舘 香椎子
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 848-856
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    我々は顔認識のために,フーリエ変換レンズとしてマルチレベルゾーンプレートアレイを用いた光並列結合変換相関器とコンピュータによるハイブリッドシステムを提案している.本論文では光学系の設計と温度揺らぎや振動の問題を取り除いた実装により,高性能化を図った光学式小型顔認識装置(COPaC II:20×24×43cm3:6kg)の開発について述べる.バイオメトリクス認証のガイドラインに沿って,同日取得した300人の正面平常顔を用いた1:1照合の実験により,COPaC?の装置評価を行った.その結果,FNMR 1%未満,FMR 1%未満の低いエラーの割合を得た.アプリケーション適用実験として,10人を対象に3回試行まで可能とする28日間のログイン想定実験では,92.8%の登録者認識率と96.4%の未登録者排他率であった.この小型装置の処理速度は7face/sであり,十分に入退室管理やコンピュータログインなどのセキュリティへの応用が期待できる.
  • 寺田 賢治, 大和 宏, 大恵 俊一郎
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 857-863
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    本論文では,ペンの握り方の形状に着目した個人識別方法を提案する.ペンの握り方だけでは,高い機密性はないが,筆跡認識と組み合わせる事により,高いセキュリティレベルを実現できる.まず,カメラにより,文字を書いている手を非接触に撮像する.次に手とペンを切り出した上で大きさや向きの補正を行った後,ペンの情報や握り方の形状情報より特徴量を抽出する.最後に部分空間法を用いて個人識別を行うものである.更に,本論文では,本手法の有効性を検証するために行った被験者20人に対する実験の結果を示す.
  • 包 躍, 磯村 誠
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 864-869
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    本論文は,使用目的を形状復元として市販のディジタルカメラを用いて1台のカメラだけで多眼視を実現する方法を提案する.具体的には,観測対象付近もしくは対象上の任意の場所に参照点を配置し,それを1台のカメラを用いて異なる方向から撮影する.その2枚のステレオ画像から,参照点の空間での相対的な位置を中心射影と視線同定を利用したステレオ計測より求め,その参照点をカメラ画面へ投影した時のカメラ画面上での座標を推定する.正確にキャリブレーションされていない状態では,推定された座標と実際のカメラ画面での座標には誤差が生じるので,この誤差が最少となるようキャリブレーションする.このように1枚の基準カメラ画像と複数の検査カメラ画像を撮像すれば,基準カメラ画像と各検査カメラ画像の位置関係が求まり,1台のカメラで多眼視を行える
  • 谷川 智洋, 広田 光一, 廣瀬 通孝
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 870-878
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    現在,景観シミュレーションやディジタルアーカイブなど実環境と密接に関連するVR環境の要求が非常に大きくなってきている.しかしながら,多岐に渡る利用可能な実環境入力装置により実環境から得られる多岐に渡るデータや,ネットワークを通じて蓄積・利用可能なデータを,VR環境として提示するのは困難であった.一方,実環境から得られる画像を元にVR環境を構築できると期待されるIBR手法は,写真的リアリティの高いVR環境を構築できるものの画像が撮影された近傍でしか利用できない制限があり,利用者の品質や規模への要求を満たすものになっていないのが現状である. 本論文は,実環境から得られるデータをVR環境として提示するにあたり,体験者視点画像に基づき様々なVR環境の統合を行う手法の提案を行い実証している.個別に構築されたVR環境を一つのVR環境として統合することで,様々なデータ処理に対処できIBR手法の制約を受けないVR環境の構築手法を提案している.体験者の入力に対し,個別に構築したVR環境で体験者の視点の画像を生成し,生成画像を統合することでVR環境の統合を実現している.
  • 森 達男, 松本 充司, 若原 俊彦
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 879-891
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    マルチメディア・アーカイブシステムではコンテンツ流通を意識し,コンテンツの二次利用を可能とさせるシステムが要望されている.この論文では,将来のアーカイブシステムとして,利用者が任意のコンテンツを組み合わせた時間軸編集による二次コンテンツを生成でき,システム側ではコンテンツ管理が単純で,規模の拡張性のあるシステム構成方法を明らかにした.アーカイブシステム構成のための新たな技術として,(1)光媒体の活用方法として,RAID構成媒体を用いた高速アクセスが可能なドライブ複合利用法,(2)アーカイブ・システムの同時利用者数と格納セグメント数を増やす格納配置方法,(3)格納庫のスロット単位での媒体ユニット(RAID構成の複数媒体)の配置制御法,(4)一次コンテンツを母体とした時間軸編集による二次利用コンテンツの蓄積・検索方法について報告する.
  • 筒口 拳, 島田 健一郎, 若原 俊彦, 安吉 逸季, 松本 充司
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 892-899
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    e-ラーニングにおけるタイムフリー性の向上,並びにマルチメディア教材の再利用性の向上を目的とする,端末に対応した教材配信方法とその実験結果を報告する.遠隔講義用教材の題材および構造を検討し,アノテーション付与による複数種類の端末に応じたファイルに変換可能な教材を制作した後,同一内容の教材を3種類の端末(ノートPC,PDA,携帯電話)によって受講し,受講環境並びに理解度を評価する実験を実施した.これらの結果,電子教材のワンソース・マルチユースの有効性,モバイル環境での受講の有望性が明らかとなった.
  • 岡田 浩行, 宋 学燮, 藤田 玄, 尾上 孝雄, 白川 功
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 900-908
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    動画像符号化において,電子透かしを応用してビットストリームエラーの検出能力を向上させる方式について検討する.従来のエラー検出方式には,復号過程でのシンタックス違反やDCT(Discrete Cosine Transform)係数の特徴をDCTブロックに埋め込む方式に基づくものがあるが,エラー検出能力が十分でなかった.本論文では,エンコーダ側でマクロブロックのヘッダ,動きベクトル,DCT係数の特徴を抽出し,これを透かし情報として量子化DCT係数に埋め込み,デコーダ側ではそれらを抽出し,伝送された情報の復号結果と比較することによりエラー発生の有無を判定する新たな方式を提案する.シミュレーションにより,提案方式は従来方式と比べてエラー検出能力が大幅に向上し,しかも埋め込まれた情報による画質の劣化も小さいことを示す.
論文
  • 斉藤 文彦
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 912-919
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    固定カメラによって連続的に撮影された複数の低コントラスト画像から,高コントラストな画像を生成する手法を提案する.入力画像を加算した画像に含まれる全階調を出力画像の各階調に非線形に割り当てるために,遺伝的アルゴリズムを用いる.個体の染色体は,階調の分割位置を表し,個体の適応度は,出力画像に含まれる空間的特徴である総合エッジ強度によって評価する.実験の結果,提案手法によって,従来の線形変換法およびヒストグラム均等化法と比較して,より良好なコントラストを持つ画像が得られた.
  • 後藤 邦博, 斉藤 文彦, 山本 和彦
    原稿種別: 論文
    専門分野: エレクトロニクス
    2002 年31 巻5 号 p. 920-928
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/01/14
    ジャーナル フリー
    テンプレートマッチングの代表的な手法として,正規化相関マッチングがある.しかし,探索対象となる部分画像は,登録されているテンプレート画像に対して正立しており,ほぼ同サイズである必要がある.画像処理技術を用いて,日常生活を支援するシステムの構築などを考えた場合,対象画像内から二次元的な位置,傾き,およびサイズ関して自由度を持つ日用品などを探し出す必要も生じるが,傾き,サイズの変化に対応するためには,それぞれの姿勢パラメータを変化させながらマッチングを行う必要があり,膨大な計算コストを必要とする.一方,人間の主観によって登録されたテンプレート画像が信頼性保持,高速化を考えた場合,必ずしも最適である保証はない.本論文では,濃淡画像内から,テンプレート画像に対して,位置,傾き,サイズに関して二次元的な自由度を持つ部分画像を探索するための手法を提案する.目的とする部分画像をマッチングの信頼性を保持しつつ高速に発見するために,テンプレート画像の登録処理,および部分画像の探索処理の双方について,遺伝的アルゴリズムを適用する.実験により,提案手法が信頼性を保持しつつ,高速な探索が行えたことを示す.
連載技術解説
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