抄録
従来の改ざん位置検出用電子透かしはアルゴリズムおよび埋め込み位置が秘密であることにその安全性を依存しており,著者らがCSS20012). で発表した手法(提案手法1)以外,それらが知られても安全な手法は発表されていない.しかし,提案手法1は画像の切り張り攻撃に対しては画像ごとに異なる鍵を用いることにより解決している.この解決法は,改ざん位置検出用電子透かしのアプリケーションまたはサービスを考えた場合,あまり望ましくないことが多い.よって,本論文ではアルゴリズムと埋め込み位置が知られても安全で,かつ,異なる画像に対しても同じ鍵を用いることができる改ざん位置検出用電子透かし手法を提案する.この手法は安全な暗号化関数,擬似乱数,自己同期パターンを用いれば安全であることが示される.