抄録
画像から任意の図形を弱中心射影変換に不変な形で検出する問題は,画像認識において基本的で重要な研究課題である.この問題を解決するため,図形の輪郭情報を補完して抽出し,それらの接線情報の幾何学的関係から図形を検出する手法が既に報告されているが,接線の角度を利用するアルゴリズムでは,直線で構成されている図形を検出することは原理的に不可能である.そこで本論文では,輪郭部分の接線情報を利用しない新しい方法を提案する.この方法は対象画像から弱中心射影変換において不変な軸を抽出し,その軸から輪郭までの長さの比例割合を測ることにより弱中心射影パラメータを検出するため,曲線形状のみでなく,直線や,直線と曲線が混在する図形にも適用可能である.提案手法を用いて実験を行い,その有効性を示した.