抄録
本稿では阿波踊りの動作の定量評価の一手法を提案する.我々の大学がある徳島県には伝統的な踊りとして「阿波踊り」がある.阿波踊りの基本動作は,手と足の調和,2拍子のリズムに合わせるといったコツがあるが,踊り手の微妙な手足の動き,重心位置の変化,リズム等の違いにより見た人の受ける印象は異なる.本稿では阿波踊りの基本動作をモーションキャプチャにより,計算機に取り込み,踊りのうまさを定量化する手法を提案する.これは,取得したデータ波形とお手本となるデータ波形を比較することで,動作特徴を抽出し,踊りのうまい,へたの評価を行うものである.本稿では更に踊りの名手との比較により,阿波踊りを得点化する実験を示し,本手法の有効性を検証する.