抄録
本論文では顔表情の認識のための顔領域からの参照点抽出,顔各部位からの特徴量の抽出および特徴量に基づく知識の生成について検討し,その有効性について述べる.顔表情を正確に認識するためには,顔各部位に対しそれぞれ適した手法を用いて特徴量を抽出しなければならない.このことから目および口領域に対しては,それぞれ適した手法を用いることで特徴量の抽出を行う.顔表情の認識のための知識の生成においては,顔各部位の詳細な動きに対応できるメンバシップ関数を知識として生成し,これを用いる.コンピュータを用いた実験の結果,5人の被験者の表情顔から平均86.8%の精度で正しく表情を認識することができた.