画像電子学会誌
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論文
可変クラスター・ハーフトーニング技術の開発
河村 尚登
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2009 年 38 巻 5 号 p. 735-745

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抄録
クラスターサイズを可変にする新規FMスクリーンVACS(Variable Cluster Screen)法を開発した.入力データをしきい値Ts,Thにより暗部,中間部,明部に分割し,中間部では出力信号フィードバックによる誤差拡散法(グリーンノイズ法)を用いクラスターサイズの制御とクラスターの遷移(黒クラスターから白クラスターへ,あるいはその逆)を行い,明暗部では近傍の画素探索によりセルサイズを変動させ孤立クラスターの分散的配置を行う.中間部における二値化のしきい値Tを入力データの関数とすることにより,明暗部との境界に発生する不連続性パターンを除去し,また,しきい値Ts,Thをゲイン係数に連動することにより,クラスターサイズの連続性を図った.その結果,全階調域で均一で異方性のないクラスター型ハーフトーンを得た.応用として記録エンジンのMTF特性に合わせた最適クラスターサイズへのチューニングや,文書画像における高品質画像処理が考えられる.
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© 2009 一般社団法人 画像電子学会
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