画像電子学会誌
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論文
ヒトの高次感性を含む主観的画質評価:評価に寄与する物理要因の解明
饗庭 絵里子沼田 晃佑藤澤 隆史長田 典子
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2011 年 40 巻 5 号 p. 792-800

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抄録

本研究の目的は,ヒトの高次感性を含む主観的画質評価が,画質に関連するどのような物理要因によって影響を受けるのかを明らかにすることである.近年,デジタルカメラの普及が目覚ましく進み,手頃な製品であったとしても,撮影シーンに応じて様々な処理を自動的に施すような製品が広く流通している.しかしながら,どのような物理要因の変化が,画質に対して「美しい」「好き」「よい」と感じるようなヒトの高次感性を含む主観的画質評価に影響を及ぼすのかについては,明らかになっていない.本研究においては,代表的かつ定量的に変化させることが可能な物理要因である「ノイズ」「明度」「彩度」「コントラスト」「シャープネス」を用い,それらがヒトの高次感性を含む主観的画質評価に及ぼす影響について検証した.その結果,本実験で用いられた物理要因のうち「ノイズ」「明度」「コントラスト」が高次感性を含む主観的画質評価を向上させるために重要な物理要因であることが示された.

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© 2011 一般社団法人 画像電子学会
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