画像電子学会誌
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論文
オートステレオグラムから奥行き情報を抽出する両眼立体視モデル
小濱 剛平田 喜寛
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2011 年 40 巻 5 号 p. 801-807

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抄録

本研究では,オートステレオグラムから視差を持った領域の抽出が可能な両眼立体視の神経系モデルの構築を目的とし,従来の両眼立体視モデルに対して,輻輳(ふくそう)・開散眼球運動を想定した融合点推定過程を導入した.オートステレオグラムにおいては,周期的な画像の配置が視差検出の手がかりとなることから,提案モデルでは,輻輳・開散眼球運動によって左右の網膜に投影される視覚パターンを左右に移動させ,このときの視差エネルギーが最大となる位置を最適な輻輳角として決定した.シミュレーションの結果,左右眼に同一のオートステレオグラムを入力した場合でも,特定の視差を持った領域の抽出が可能であることが示され,視差抽出過程において注視点決定プロセスが関与する可能性が示唆された.

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© 2011 一般社団法人 画像電子学会
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