2012 年 41 巻 2 号 p. 140-151
物体追跡は画像工学において重要な研究課題であり,パーティクルフィルタに基づく追跡手法の研究が盛んである.パーティクルフィルタでの物体追跡では一般的に尤度計算にテクスチャ形状や色などの類似度が用いられる.しかし,物体の一部に隠れが生じた場合認識精度が低減される.本研究では,パーティクルフィルタの尤度計算を階層化することで隠れに頑健な物体追跡を実現する.また,その応用例としてドライブレコーダを用いた前方車両追跡における隠れを考慮した車間距離推定についても述べる.