画像電子学会誌
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41 巻, 2 号
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論文
  • 北村 一真, 福水 洋平, 道関 隆国
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 118-123
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    スマートフォンで読み取り可能な非可視化コードを開発した.開発した非可視化コードは高周波ブロックと低周波ブロックから構成される.ひとつの画像に対して複数個の非可視化コードを埋め込めるようにするため,高・低周波ブロックで構成したファインダパターンをコードの隅に配置した.非可視化コードを実装するために2つの技術を考案した.ひとつは画像の輝度を市松模様状に変化させることで非可視化を実現した高周波ブロックであり,もうひとつは非可視化コードを埋め込んだ原画像からコードのみを抽出する読み取り方法である.開発した非可視化コードの有効性を示すために,4つの画像を用いて読み取り精度を検証した.その結果より,どの画像においても100-150 mmの距離からなら100%の読み取り精度で読み取り可能なことが分かった.
  • 村瀬 真隆, 斉藤 文彦
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 124-130
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    近年,カメラ機能が付属した製品の普及に伴って,画像処理におけるコントラスト改善は重要な処理とされている.撮影で得られる画像のコントラストが悪い場合には,ソフトウェアによるコントラスト改善が有効である.代表的な従来手法として,ヒストグラム均等化法が提案されている.この手法は,画像のエントロピーを最大化するため高い改善効果が得られる.しかし,ノイズと過強調が発生し,改善が不自然になる場合がある.本研究の目的は,画像の特徴解析を用いたコントラスト改善手法の提案である.本論文では,二つの画像特徴量を用いる.一つ目は,DV (Detail Variance) とBV (Background Variance) であり,濃度ヒストグラムにクリッピングレベルを設定してノイズを抑制する.二つ目はデルタヒストグラムによるSF (Sharpness Factor) であり,強調効果を調整することにより良好な結果画像を出力する.提案手法は,実験の結果から有効で自然なコントラスト改善結果が得られることが分かった.
  • 鈴木 章, 嶌田 聡, 木村 義政, 米村 俊一, 森本 正志
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 131-139
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    学習サンプルのみならず未知サンプルに対しても識別率を大きく向上させる特徴選択の方法として,サポートベクトルマシンにおけるマージン最大化の考え方を導入した遺伝的アルゴリズムによる特徴選択を提案する.サポートベクトルマシンは未知サンプルに対しても高い識別率を得られる汎化能力の高い識別手法として知られており,その仕組みの核であるマージン最大化の考え方を導入することで未知サンプルに対して高い識別率を得られる特徴選択が実現することが期待できる.5組の手書き類似漢字対を対象とする実験を行い,提案法は予想通り学習サンプルだけではなく未知サンプルに対しても識別率を大きく向上させる結果が示された.
  • 林 豊洋, 榎田 修一, 江島 俊朗
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 140-151
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    物体追跡は画像工学において重要な研究課題であり,パーティクルフィルタに基づく追跡手法の研究が盛んである.パーティクルフィルタでの物体追跡では一般的に尤度計算にテクスチャ形状や色などの類似度が用いられる.しかし,物体の一部に隠れが生じた場合認識精度が低減される.本研究では,パーティクルフィルタの尤度計算を階層化することで隠れに頑健な物体追跡を実現する.また,その応用例としてドライブレコーダを用いた前方車両追跡における隠れを考慮した車間距離推定についても述べる.
  • 片岡 裕雄, 青木 義満
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 152-159
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では,単眼カメラで撮影したサッカー映像から選手とボールを追跡し,グラウンド上での挙動を推定する手法を提案する.一台の単眼カメラではグラウンド全体の撮影は困難であるため,カメラをパンさせ,ボールや選手群など,プレーを詳細に撮影した映像を得る.そのため,カメラの撮影位置や選手によるオクルージョンを考慮して選手とボールを追跡する必要がある.選手の追跡にはオクルージョン領域内での重心再配置,撮影位置の推定にはHomographyを用いて問題の解決を図った.
  • アブラジャン アブドレシティ, 亀田 昌志, 西本 英明, 上野 育子, 松村 豊, 小笠原 邦昭, 小川 彰
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 160-169
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    術前検討や手術計画において,血管の構造解析や病変部の形状把握のために,脳領域の3次元血管可視化は必要不可欠である.血管を観察するための直接的な手法は,MRA(Magnetic Resonance Angiography)画像に対して,MIP(Maximum Intensity Projection)と呼ばれる血管投影像が用いられる.このとき,MIP画像では,頭皮などの脳以外の組織によって脳内の血管が隠されてしまうため,臨床現場ではこれらの組織の削除を手動で行っており,作業従事者の負担が大きいことが問題である.この作業負担を軽減するため,脳領域を自動的に抽出して3次元血管の可視化を行う手法が提案されているが,従来手法では,使用されるパラメータの数が多く,その決定に学習型アルゴリズムを用いていることから,多くの処理時間を要するため,臨床現場での適用は困難であると考えられる.本研究では従来手法と同じく,MRAデータから脳領域を自動抽出をすることにより,頭皮などの組織を自動的に削除して臨床用MIP画像を自動生成する手法を提案する.MRA画像の各スライス画像における頭部内部組織は,脳領域に入り込んでいる脳血管以外は,内側から脳領域,硬膜,脳脊髄液,頭皮といった構造になっており,それらは互いに密接している.更に,スライス方向でみると頭部領域の概形は楕円球のような形をしており,隣接スライスでの形状は似通っているという構造的特徴がある.提案手法では,これらの特徴を利用して,最小値投影法(MinIP:Minimum Intensity Projection)を用いるだけで,脳と密接する組織の境界領域を拡大するにより脳領域との分離を行う.最後に,領域拡張法を用いて脳領域を自動抽出することで,脳以外の領域を容易かつ高速に削除する.提案手法を実データに適用した結果,技師による手動の作業による結果と比べても臨床的に十分なレベルで不要組織が削除されているとの評価が得られた.更に,提案手法は手動の作業と比べて約半分の時間で処理を行うことができ,パラメータの数も少ないことからユーザ負担の少ない処理であることが明らかとなった.
  • Peng Liu, Xueying Wu, Kazuhiko Wakamori, Mitsuji Matsumoto
    原稿種別: Contributed Paper
    2012 年41 巻2 号 p. 170-176
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    In this paper, we propose a new scheme of time-diversity system using optical code division multiplexing (OCDM) in free space optical (FSO)communication. Our design is a full-optical communication system without optical and electrical conversion that facilitates synthesizing the time-diversity signals. We found that employment of the proposed scheme can effectively minimize the influence of scintillation caused by atmospheric turbulence. We analyze the bit error rate (BER) performance of the time-diversity scheme through atmospheric turbulence channels and its efficiency enhancement with a digital TV signal. It not only considers the intensity scintillation of atmospheric turbulence, but also considers scintillation temporal -frequency. We present the theoretical analysis which is based on lognormal models, and validate the performance of the proposed scheme through simulations. Simulation results are further demonstrated to confirm the analytical results. They show that under some circumstances the bit error rate can be improved by a few orders of magnitude using the time-diversity scheme to compensate for the scintillation.
  • 佐藤 真知子, 犬井 正男, 菊地 敬夫, 吉村 作治
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻2 号 p. 177-183
    発行日: 2012/03/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿ではエジプト・ルクソール王家の谷・西谷にあるアメンヘテプIII世王の墳墓内に描かれた壁画の保存を目的としたデジタル化手法について述べる.デジタル1眼レフカメラを搭載したパノラマ写真自動撮影装置を墳墓内で移動させて,壁面あたり1000枚〜2000枚の写真を撮影した.これらを市販のスティッチングソフトウェアと独自に作成したソフトウェアを用いることにより接合し,壁面全体のデジタル画像を作成した.デジタル壁画の精度は,「研究者が現地にいなくとも画像を利用して研究を行なえる」という要求を十分満たしており,かつ,比較的入手しやすい機材を用いたため,デジタル化のコストを抑えることができた.
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