画像電子学会誌
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論文
CoHOG 特徴を用いた歩行者検出の確率的サンプリングに基づく高速化
劉 載勲宮本 龍介尾上 孝雄
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2013 年 42 巻 1 号 p. 30-40

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抄録

歩行者検出は様々な応用からその実現が求められているものの,外見が多様に変化するために本質的に困難な問題であり挑戦的な課題の1つとなっている.近年,高精度な手法の提案が盛んに行われており,用途によっては実用に耐え得る性能が達成されつつあるが,複雑な特徴抽出や機械学習を組み合わせて実現されるため,演算量の増加が深刻な問題となっている.そこで,本稿では,識別精度の高い特徴抽出手法の1つであるCoHOG 特徴による歩行者検出を対象として,既存の手法と組み合わせることが可能な高速化手法を提案する.提案手法においては,様々な大きさの歩行者を検出する際の複数のスケールの画像に対する処理に着目し,基準となる特定のスケールの画像に対してのみスライディングウィンドウ手法を適用する.その結果得られる検出対象の存在確率からそのほかのスケールにおける尤度分布を生成し,これに基づく確率的なサンプリングを行うことにより,検出精度の劣化を伴わない演算量削減を目指す.INRIA データセットを用いてFalse Positive Per Image による評価を行なった結果,提案手法によって精度の劣化を生じさせることなく約2.5倍の高速化が可能であることが示された.

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© 2013 一般社団法人 画像電子学会
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