抄録
多様なシーンが混在する屋外環境等での画像照合においても,照合の頑健性を保ちつつ計算量を低減可能な方向符号ピラミッド探索処理について提案する.提案手法の特徴は,人工物の直線構造情報を優先するピラミッド生成方式と,自然物の緩やかに変化する輪郭情報等に着目したピラミッド生成方式の2つの生成方式を領域特徴に合わせて適応的に使い分けることにある.人工物らしさの判定には局所領域内の方向符号分布に基づく特徴量を導入し,しきい値処理により入力画像を人工物とそれ以外の領域に大きく分割する.多様なシーンが混在する例として撮影時期の異なる航空画像間の照合実験を行い,単一のピラミッド生成方式を適用した場合と比べ,提案手法では上位レベルでの照合率が向上することを確認した.