抄録
本論文では,オクルージョン領域を含む人体の形状復元手法として,人体パーツマッチングと人体パーツの時系列姿勢情報を用いた人体形状復元手法を提案する.まず,オクルージョン領域発生シーンを以下の3つとして定義する.1つ目は複数人体間に生じる相互オクルージョン領域,2つ目は単人体上に生じる自己オクルージョン領域,3つ目は相互オクルージョン領域内において自己オクルージョン領域が生じる相互・自己オクルージョン共有領域発生シーンである.提案手法では,まず,あらかじめ取得しておいた対象人体のパーツをオクルージョン領域外の人体表面データにマッチングすることで,相互または自己オクルージョン領域発生シーンにおける人体形状復元を実現する.次に,相互・自己オクルージョン共有領域発生シーンでは,人体パーツの時系列姿勢データを用いて,相互・自己オクルージョン共有領域内の人体部位の姿勢を推定し,パーツを当てはめることで人体形状復元を実現する.本論文では,人工モデルを用いたシミュレーション実験と実人体を用いた実験を行い,提案手法の有用性を定量的・定性的に評価した.