2022 年 51 巻 1 号 p. 4-10
近年,自動運転に代表される自律移動ロボットが注目を集め,その実用化が期待されている.移動体周辺に存在する外界情報を収集する測域センサは,自律移動ロボットを安全かつ正確に制御するための最も重要な装置の一つである.自律移動ロボットは,屋外などでの運用中に汚損することが珍しくない.特にセンサ部の汚損はその制御に影響するため,それを自動検出する仕組みが必要である.本研究では,光学測域センサ部に生じた汚損領域をその受光強度値の最大値を用いて検出する基礎的な3次元点群処理手法(Maximum Value Collection)を提案し,それを3次元レーザスキャン装置(光学センサ)に適用した実証実験を行った.本実験の結果,提案方式は,光学センサ表面の汚損とその位置推定に有用であることがわかった.