画像電子学会誌
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論文
CGにおける高粘性流体中の気泡表現
内川 亮介石塚 裕己池田 聖大城 理
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2022 年 51 巻 1 号 p. 50-60

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抄録

ディジタル映像作品において液体を写実的に描くためには,液体に含まれる気泡までを表現できることが望ましい.従来のComputer Graphicsのための流体シミュレーションでは気泡を表現するために,液体粒子と気体粒子を用いていた.一方で,気体粒子を用いる場合には計算量が増大するという問題があった.また,従来の気泡シミュレーションでは高粘性流体を表現可能な陰解法を用いることができなかった.本研究では,低粘性から高粘性流体中の気泡を表現可能なシミュレーション手法を提案する.気体粒子無しに気泡表現を可能にするために,気泡の質量保存を利用する.そのために,気泡密度から求めた圧力を気泡表面の圧力境界条件としてNavier-Stokes方程式に適用する.気泡表面において,表面法線方向の流速の総和が0となるという拘束条件を仮定することで,気泡の体積変化を小さくする.このモデルは,二つの条件によって気泡の質量と体積を保存するため,気体粒子を用いることなく気泡の挙動を再現できる.また,提案するモデルは,Material point method (MPM) 内に組み込み可能である.MPMの有する低粘性流体から高粘性流体までの挙動を高速に計算できる特徴により,水やハチミツといった様々な粘性流体中の気泡表現を可能にできる.

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© 2022 一般社団法人 画像電子学会
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