2024 年 53 巻 2 号 p. 104-109
健康に対し多くの人が不安をもつ現代の日本において,生活習慣病諸疾病の罹患とタンパク質の摂取量の間に負の相関があることは知られている.本研究では日常の食卓でタンパク源としても広く親しまれている鶏肉の高機能化を行いこれの供給を目指した.また,一般飼育と高重力下飼育にそれぞれに鶏肉の色味の画像計測を行ない,高重力下飼育での鶏肉商品価値の向上を画像データにより確認した.鶏肉高機能化の手法として,専用に開発したニワトリ飼育用の遠心加速器内で高重力環境のもと飼育を行い,生体の重力応答を利用し鶏肉の可食部となる抗重力筋を発達させることによる肉質改良に成功した.実験を経た鶏肉は一般飼育による食用鶏肉に比べ強い赤みと引き締まった身から得られる歯ごたえを有し,地鶏の付加価値を向上させた.本研究ではこの高重力下で飼育した鶏肉について,画像計測データの解析による非破壊の鶏肉の硬度推定に成功した.それにより非接触で高付加価値の鶏肉の選別が可能であることを示した.