画像電子学会誌
Online ISSN : 1348-0316
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53 巻, 2 号
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随想
高臨場感映像の通信・配信を支える設計・実現技術論文小特集号
ショートペーパー
  • 小嶋 優輔, 岩崎 裕江, 江川 隆輔
    2024 年53 巻2 号 p. 99-103
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    高精細な画像のリアルタイム配信の実現に向けて次世代映像符号化方式であるVVC(Versatile Video Coding)が標準化されている.しかし,VVCは従来のHEVC(High Efficiency Video Coding)と比較して高い圧縮性能を有する一方で,エンコードに要する時間が増大している.本論文では,VVCの高速化を目的に,フレーム内符号化におけるCUブロック分割アルゴリズムを提案する.提案手法では,対象CUブロックを離散コサイン変換(DCT)により低周波領域,高周波領域に分割し,それぞれの領域におけるDCT係数の比,高周波領域におけるDCT係数の総和と対象CUブロックの分散値に基づき,段階的にCUブロック分割手法を決定する.初期評価の結果,提案手法はBD-rateの劣化を抑制しつつ,エンコード時間の削減が可能であることを明らかにしている.

一般論文
  • 覺心 真友, 長谷川 克也
    2024 年53 巻2 号 p. 104-109
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    健康に対し多くの人が不安をもつ現代の日本において,生活習慣病諸疾病の罹患とタンパク質の摂取量の間に負の相関があることは知られている.本研究では日常の食卓でタンパク源としても広く親しまれている鶏肉の高機能化を行いこれの供給を目指した.また,一般飼育と高重力下飼育にそれぞれに鶏肉の色味の画像計測を行ない,高重力下飼育での鶏肉商品価値の向上を画像データにより確認した.鶏肉高機能化の手法として,専用に開発したニワトリ飼育用の遠心加速器内で高重力環境のもと飼育を行い,生体の重力応答を利用し鶏肉の可食部となる抗重力筋を発達させることによる肉質改良に成功した.実験を経た鶏肉は一般飼育による食用鶏肉に比べ強い赤みと引き締まった身から得られる歯ごたえを有し,地鶏の付加価値を向上させた.本研究ではこの高重力下で飼育した鶏肉について,画像計測データの解析による非破壊の鶏肉の硬度推定に成功した.それにより非接触で高付加価値の鶏肉の選別が可能であることを示した.

  • 常盤 公德, 岩下 晋治, 福江 潔也, 長幸 平
    2024 年53 巻2 号 p. 110-120
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/09/10
    ジャーナル 認証あり

    本論文は,日本における筆跡鑑定を応用分野として想定した字形に基づく筆者異同識別に関するものである.筆者異同識別は筆跡個性に基づいて行われるが,筆者内変動が筆者異同識別性能を低下させるということが問題となっている.本論文ではまず最初に,筆者内変動には筆跡個性が存在していることを示す.次に,筆者内変動に潜んでいる筆跡個性を活用するために,筆者の平均筆跡と筆跡間のマハラノビス距離によって定義される新しい相違度を提案する.提案した相違度を使用した筆者異同識別実験では,漢字の場合1~2文字,ひらがな・カタカナの場合3文字,数字の場合5~6文字を使用すれば平均識別精度99.9%となる識別性能が得られた.

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