高精細な画像のリアルタイム配信の実現に向けて次世代映像符号化方式であるVVC(Versatile Video Coding)が標準化されている.しかし,VVCは従来のHEVC(High Efficiency Video Coding)と比較して高い圧縮性能を有する一方で,エンコードに要する時間が増大している.本論文では,VVCの高速化を目的に,フレーム内符号化におけるCUブロック分割アルゴリズムを提案する.提案手法では,対象CUブロックを離散コサイン変換(DCT)により低周波領域,高周波領域に分割し,それぞれの領域におけるDCT係数の比,高周波領域におけるDCT係数の総和と対象CUブロックの分散値に基づき,段階的にCUブロック分割手法を決定する.初期評価の結果,提案手法はBD-rateの劣化を抑制しつつ,エンコード時間の削減が可能であることを明らかにしている.