抄録
日本で行政サービスとして行われているがん検診の多くは死亡率の減少に関して医学的に支持する知見が存在し効果的であるといえる。しかし,その一方でがん検診への受診率はあたまうちの状況にあり,受診者が固定していて新規受診者が少ないとされている。そこで独自に行ったアンケート調査をもとにして受診に影響を与える因子に関する分析を行った。
がん検診の受診行動について全標本についての分析からは年齢や収入,外来受診の有無,学歴,医療保険の種類が受診促進に関与していると考えられる。
全標本の分析は職場のがん検診に対する取り組みといったサービス供給側の要因も含まれてしまうこと,公共サービスとしてのがん検診の分析にしぼって行うためには適当でないことにより,国保加入者のみのサンプルでも分析を行った。その結果,全標本との違いで注目されるのは,受診勧奨活動の中では,郵送での案内のみが有意に受診率を上げる効果をもち,それ以外の広報誌や回覧板,掲示による案内は受診率を上げる効果がないという点と町村部では有意に受診率が高いことである。