医療と社会
Online ISSN : 1883-4477
Print ISSN : 0916-9202
ISSN-L : 0916-9202
早期公開論文
早期公開論文の2件中1~2を表示しています
  • 周 燕飛
    論文ID: 2019.001
    発行日: 2019年
    [早期公開] 公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー 早期公開

     本研究は,母親による児童虐待の発生要因について,子育て世帯に対する大規模調査データを用いて分析を行った。その結果,児童虐待が発生する背景には,母親の病理的要因のみならず,経済環境と社会環境も影響していることが分かった。具体的には,母親が健康不良,うつ傾向,DV被害者といった病理的特徴を持つ場合や,貧困など経済状況の厳しい場合,周囲から十分な育児支援を得られない場合に,虐待確率が高い。

     いずれの種別の児童虐待についても,健康不良,メンタルヘルスの問題,未成年期の虐待経験など,母親自身の病理的要因の影響が確認される。一方,経済環境と社会環境の影響は,虐待の種別により若干の違いが見られる。「身体的虐待」は,貧困家庭というよりも,多子家庭で生じやすい。「育児放棄」は,低出生体重児のいる家庭やひとり親家庭で発生する確率が比較的高い。

  • 木戸 久美子, 藤田 久美
    論文ID: 2019.002
    発行日: 2019年
    [早期公開] 公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,幼児期から学齢期にある発達障害児および発達障害が疑われる児の育児上の気がかりと,母親の精神面の健康度によってその気がかりに特徴があるのかを質的に検討することを目的とした。小児科発達外来を受診した発達障害児および発達障害が疑われる子どもの母親25人を対象とした。対象者には,The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(以下CES-D)を用いて抑鬱傾向調査と発達障害児の育児に関して半構造化面接を行った。質的データは,Framework methodsを用い,量的データはEZRを用いて分析を行った。対象者のCES-D平均値は15.9(±10.2)であり,CES-Dの「鬱あり」のカットオフ値である16に近い点数であった。また,CES-D平均値の結果から「鬱あり」の範疇にあったのは11人(44%)で本邦におけるうつ病生涯有病率3~7%(厚生労働省)よりも高い発症率であることがわかった。今一番気がかりなこととして,CES-D正常値群の母親,抑鬱群の母親の双方において将来への不安が語られていた。抑鬱群の母親では,子どもの異性への性的関心が性犯罪に結びつくことを懸念していること,行き場のないストレスを抱え家族や子どもとの関係に影響を与えていることがわかった。母親の精神面の健康状態は,子どもの問題行動や育児を通してのストレスへの主観的な感じ方が影響している可能性が考えられた。

feedback
Top