大規模臨床データベースは,患者・国民の視点に基づいて医療の質向上に向けて日々取り組んでいる臨床現場の人々が活用することにより最大の効果を発揮する。それは現場の医療者自らがプロフェッショナルオートノミーを発揮し,エビデンスに立脚した医療の質向上の活動を継続的に行う活動を基本とするものである。現場が活用可能な価値のあるデータベースを構築することで,行政・保険者と連携し医療の質向上と持続可能性を両立させる社会システムを構成すること,産官学の協働による革新的な診断・治療技術の開発など,さまざまな取り組みへと発展させることが可能となる。一連の活動を信頼性のあるデータに基づいて体系的に行うことは,患者および国民の視点に基づいた最善の医療を実現し,新しい社会を拓くことにつながる。