医療と社会
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Gregg L. Mayer田中 滋
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1997 年 7 巻 1 号 p. 109-127

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抄録

アメリカ合衆国医療では,マネージドケアが急速に浸透し,1995年には公的セクターで24%,私的セクターで67%に及んでいる。このマネージドケアの浸透は,米国における医療費の増加が近年緩やかになった原因の少なくとも一部を説明すると考えられる。
マネージドケアには供給者との契約内容によりさまざまな組織形態がある。本稿ではその各々にいて,コントロールとインセンティブの側面から解説している。マネージドケアは,ケアのコつストと質の双方に責任を持つ効率的な医療供給者の元へ,患者を向かわせるような財政的なインセンティブを内包している。
さらにマネージドケア機構は,経営管理,疾病管理,薬剤給付管理などにおける様々な革新的手法によりコスト対効果を改善する。そのためこういった革新的手法は,今や既存の保険にも導入されている。われわれも最終セッションで,マネージドケア技術が日本の医療においてもコスト対効果を改善する可能性を検討した。

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