育療
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特別支援学校における教員が実施している医療的ケアと看護師の活動に対する教員の認識
高野 政子
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2022 年 70 巻 p. 20-29

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抄録

特別支援学校に勤務する教員が実施する医療的ケアと、看護師に対する認識を明らかにする目的で、無記名の自記式質問紙法の調査を実施した。対象者は、医療的ケア研修会を受講した特別支援学校に勤務している教員とし、117部配布し98部(83.8%)を回収した。教員が実施している医療的ケアは、経管栄養25名(25.5%)が最多で、次に口鼻腔内吸引19名(19.4%)等であった。医療的ケア児の担任経験の有無では、「健康状態の観察方法」( p=.002)、「医療的ケアの方法」( p<.001)などで担任経験有り群は、無し群より看護師への相談が多く2群間に有意差を認めた。教員は医療的ケアを受けて児童生徒が満足のいく学校生活が過ごせているや、看護師が適切なケアを実施することで安全・安心が保障されたと認識していた。教員は看護師が学校に居て医療的ケアを行うことで、教育環境や保護者との関係を円滑にする役割を果たしており、看護師との協働の必要性を認識していることが示唆された。

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© 2022 一般社団法人 日本育療学会
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