抄録
医療的ケアを要する重度・重複障害児の自立活動の学習に関する実践を省察するなかで、身体の動きを主とした指導に関わる教師の専門性について広く議論を交わすための視点の整理を試みた。身体の動きを主とした自立活動の学習に対する子どものニーズは運動・動作の発達と合わせて子ども自身の生活の変容にある。子ども自身が身体を動かし、継続した姿勢保持と移動運動の学習経験が医療的ケアを要する重度・重複障害児の学びの重点であると考えた。教師が子どもの実態を正しく捉え、個に合わせた適切な支援を見極めることによって、自立活動の学習成果が変化する。変化し続ける子どもの心と身体の状態について、教師は自分のこととして捉えなおし、子どもの環境接続が可能となるような身体的援助を創出できることが身体の動きを主とした自立活動の指導に関する教師の専門性の一端になると考えた。