抄録
近年、日本の家庭部門における温室効果ガスが上昇傾向にある。そのなかで、工業製品に関する評価が中心であったLCAが現在は食や生活に注目した分析に活用されるようになった。しかしながら、生活に欠かせない衣類や洗濯に関する評価は相対的に少ない。現在、衣類や洗剤に関するカーボンフットプリントがみられるものの、これらをシステムとして体系的にとらえた例は少ない。また、衣類に用いられる綿の生産や洗濯には水の消費量が相対的に大きいものと見られるが実際に評価した事例はない。本研究では、衣類の生産、洗剤の消費、洗濯機の利用、廃棄など、衣類に関するライフサイクルをとらえ、かつ、温暖化と水消費に注目した評価を行った。