日本統合医療学会誌
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岡田式浄化療法施術後の末梢血PD-1発現CD8+ T細胞、QOL、およびスピリチュアリティの変化
江副 健一赤木 純児牧 美輝木村 友昭
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2022 年 15 巻 2 号 p. 87-91

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抄録

目 的:岡田式浄化療法(Okada Purifying Therapy:OPT)は、生体エネルギー療法の一種に分類され、自然治癒力を高める健康法として実践されている。OPT施術後のCD8+ T細胞上に発現するPD-1(programmed cell death-1)、生活の質(QOL)およびスピリチュアリティに関する指標の変化を検討した。

方 法:普段OPTの施術を受けていない健康な者44名を対象に、毎日60分の施術を3ヶ月間実施し、末梢血中CD8+ T細胞のPD-1発現を測定した。またQOLに関する質問票である10項目版MOAQOL調査票(MQL-10)と、スピリチュアリティを評価する20項目版SKY式精神性尺度(SS-20)を研究開始前と終了時に使用した。

結 果:PD-1+terminally differentiated CD8+ T細胞の割合に統計学的有意差は認められなかった。MQL-10とSS-20では良好な変化が認められた。

考察・結論:がん患者の場合と健常者を対象とした本研究では、PD-1terminally differentiated CD8+ T細胞の高値群のメカニズムや臨床的意義が異なる可能性があるため、免疫に関する本結果の解釈は困難であった。一方、QOLとスピリチュアリティに関する指標には良好な変化が認められた。今後対照群を設定してそれぞれの指標の関連や因果関係を検討する必要があると考えている。

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© 2022 一般社団法人日本統合医療学会
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