日本統合医療学会誌
Online ISSN : 2436-2158
Print ISSN : 2435-5372
15 巻, 2 号
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巻頭言
総説
報告
  • 江副 健一, 赤木 純児, 牧 美輝, 木村 友昭
    2022 年 15 巻 2 号 p. 87-91
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/01
    ジャーナル フリー

    目 的:岡田式浄化療法(Okada Purifying Therapy:OPT)は、生体エネルギー療法の一種に分類され、自然治癒力を高める健康法として実践されている。OPT施術後のCD8+ T細胞上に発現するPD-1(programmed cell death-1)、生活の質(QOL)およびスピリチュアリティに関する指標の変化を検討した。

    方 法:普段OPTの施術を受けていない健康な者44名を対象に、毎日60分の施術を3ヶ月間実施し、末梢血中CD8+ T細胞のPD-1発現を測定した。またQOLに関する質問票である10項目版MOAQOL調査票(MQL-10)と、スピリチュアリティを評価する20項目版SKY式精神性尺度(SS-20)を研究開始前と終了時に使用した。

    結 果:PD-1+terminally differentiated CD8+ T細胞の割合に統計学的有意差は認められなかった。MQL-10とSS-20では良好な変化が認められた。

    考察・結論:がん患者の場合と健常者を対象とした本研究では、PD-1terminally differentiated CD8+ T細胞の高値群のメカニズムや臨床的意義が異なる可能性があるため、免疫に関する本結果の解釈は困難であった。一方、QOLとスピリチュアリティに関する指標には良好な変化が認められた。今後対照群を設定してそれぞれの指標の関連や因果関係を検討する必要があると考えている。

  • 正高 佑志, 杉山 岳史, 赤星 栄志, 新垣 実
    2022 年 15 巻 2 号 p. 92-101
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/01
    ジャーナル フリー

    背 景:大麻草に特異的に含有される化合物であるカンナビジオール(CBD)は抗てんかん薬として処方される以外にも諸外国では疼痛、不安、不眠などの症状緩和に利用されている。本邦でも近年、食品、化粧品、嗜好品として幅広く流通しているが、国内におけるCBD製品の用途や有効性、安全性についての調査はこれまでに行われたことがない。

    方 法:2021年8月16~31日の期間にCBD使用についてのオンライン調査フォームを作成し、SNSを用いて回答を呼びかけた。調査対象はCBD使用経験者(過去1年以内にΔ9-tetrahydrocannabionol(THC)を含む大麻使用者を除く)とした。

    結 果:回答した1,351名のうち、解析対象に該当した799名の60.6%は男性で、平均年齢は37.7歳であった。用途として多かったのはリラクゼーション(77.8%)、睡眠改善(66.3%)、不安(56.2%)、健康増進(50.8%)、抑うつ(47.8%)であり、使用者は平均して5.5の目的に対してCBDを使用していた。使用前後の各症状についての重症度自己評価で50%以上改善していた人の割合は以下のとおりであった:頭痛70.9%、慢性痛67.8%、睡眠障害67.4%、物質使用障害66.7%、神経痛65.5%、抑うつ62.4%、不安59.6%、関節痛54.5%、膠原病50.0%、皮膚疾患49.7%、てんかん42.1%、ぜんそく37.8%。副作用が疑われる症状の出現率は7.4%で、重篤なものは認められなかった。

    結 論:日本国内において、CBD製品は主にメンタルヘルス領域のセルフケアの手段として活用され、ユーザーの多くが症状の改善を自覚していることが示唆された。

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