日本統合医療学会誌
Online ISSN : 2436-2158
Print ISSN : 2435-5372
原著
大学生が相互に実施した会話とマッサージにおける被施術者および施術者に対する効果―心拍変動とProfile of Mood States 2による評価―
小濱 優子
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2025 年 18 巻 1 号 p. 34-43

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抄録

目 的:マッサージ実施後に被施術者だけでなく施術者の良い気分変化についての報告がみられるが、被施術者と施術者の生理的変化を同時検証した研究は行われていない。会話とマッサージが被施術者と施術者に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。

方 法:大学生を対象として、2人一組で会話の有無別にクロスオーバー試験による介入(ハンドマッサージ)を実施した。30名(男性2、女性28、平均年齢28.9歳)を対象に会話ありで(介入Ⅰ)、16名(女性16、平均年齢22.6歳)を対象に会話なし(介入Ⅱ)で、それぞれ15分間の介入を実施した。介入前から介入後まで心拍変動(HF、LF/HF、HR[心拍数])の持続測定を行い、反復測定の分散分析と多重比較(介入Ⅰ)、Friedman検定と多重比較(介入Ⅱ)を行った。心理的指標としてPOMS2を用い、平均値の差の検定(介入Ⅰ)、Wilcoxon符号付順位検定(介入Ⅱ)により介入前後のスコアを比較した(p<0.05)。

結 果:被施術者:会話なしでは副交感神経活動(以下HFとする)が有意に増加し、会話下では交感神経活動(以下LF/HFとする)の増加を認めたが, 平均心拍数(以下MHRとする)は有意に低下した。POMS2のネガティブな気分は、会話なしでは4項目(AH、FI、TA、TMD)、会話下では6項目(AH、CB、DD、FI、TA、TMD)が、介入後に有意に減少した。施術者:交感神経活動の指標としてのMHRは会話の有無にかかわらず、介入前安静よりも介入中に有意に増加した。会話下ではPOMS2のネガティブな気分(FI:疲労-無気力)が有意に減少した。

結 論:ハンドマッサージの介入は会話による交感神経活動の活性を抑制した可能性が示唆された。被施術者では心拍変動によるリラクセーション効果は会話なしのほうが高かったが、気分では会話下のほうが顕著であった。施術者では会話下で気分におけるリラクセーション効果が確認された。

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