Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
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ACTIVITY REPORTS
乳幼児を対象にした図形の理解に関する教育実践
―CRAYON BOOKの数概念との関連性―
岡田 直美磯部 一恵太田 麻美子
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2022 年 11 巻 p. 141-153

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抄録

日本では小学校低学年の段階において、算数は「A 数と計算」と「B 図形」、「C 測定」、「Ⅾ データの活用」と分けて教えられており相互に関連性を持って教示されている。特に「B 図形」に関しては、「1.図形についての理解の基礎」として、形とその特徴の捉え方、形の構成と分解、方向やものの位置との関連から理解することが望まれている。 現在、数概念の構成要素として、「図形」をテーマとした乳幼児教育の実践研究が行われている。しかしながら、それは絵や積み木などを活用した遊びの中で行われており、数概念の観点から「図形」の理解を促し、分析した実践論文は少ない。そこで、本実践研究では、2歳児を対象として「図形」をテーマとした実践を行い、対象児に見られた数概念の変化を報告することを目的とした。  図形の特性を意識させるような環境設定、関わり及び実践を行った。その結果、丸が転がることや四角が積み重ねることができること、形の組み合わせにより図形が変化することなど、図形の特性に気づく様子が観察された。しかしながら、丸は転がることや四角は積み重ねることができる、形の組み合わせにより図形が変化する、といった図形の特性に気づく様子が観察された。加えて、副次的評価項目においても、プラスの変化が見られた。今後、統計的な検証も視野に入れて、データを収集することで、効果的な図形のプログラムの開発ができると考えられる。

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© 2022 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
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