日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-25
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ポスター発表
簡便かつ短時間で昆布出汁を調製する方法の開発
*畑 礼子山崎 英恵伏木 亨朝見 祐也
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キーワード: 昆布だし, 昆布, 和食
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抄録

【目的】我が国の和食文化は,一汁三菜を基本とし日本人の長寿や肥満防止等に寄与している。国の設置する食育推進会議の決定した第3次食育推進基本計画においては『和食文化の継承』が施策として盛り込まれ,平成25年にはユネスコの人類の無形 文化遺産に「和食」が登録されるなど国際的にも「和食」が注目を浴びている。この和食の美味性の土台となるのが『出汁』であり,出汁の美味性が高いとできあがった料理の美味性も高くなるといわれている。しかしながら出汁は調製に時間や手間がかかることから, 家庭内において出汁を調製することが減少してきている。以上のような現状から,出汁の調製について,簡便かつ短時間にできる調製法の開発が望まれている。そこで本研究は,簡便にかつ短時間に出汁を調製できる方法の開発を試みた。

【方法】試料は,北海道産の真昆布を実験に供した。昆布の形状は(1)10cm×10cm,(2) 2cm×5cm,(3) 4mm×5cm,(4) 4mm×4mmの4種とした。水道水300mlに9gの昆布を60℃,80℃,95℃の3段階で,60秒〜600秒で加熱した。なお,無処理の昆布9gを水道水300mlに65℃で60分抽出したものを対照の標準出汁とした。出汁粘度はデジタル粘度計VISCOを用い,L-グルタミン酸濃度は測定キットのヤマサNEOを用いて測定した。

【結果および考察】出汁の粘度を測定したところ,昆布の大きさの細かいほど,加熱温度が高いほど,加熱時間が長いほど高くなる傾向がみられた。L-グルタミン酸濃度は,各出汁で特徴的な結果が認められた。得られた結果について,種々の観点から解析し,簡便かつ短時間で昆布出汁を調製する方法について考察した。

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