Journal of Inclusive Education
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CRAYON BOOKに基づいた1‐2歳児の言語概念および言語的表現の発達過程に関する分析調査
岡田 崇岡田 直美太田 麻美子
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 12 巻 p. 16-30

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抄録

乳幼児用の評価尺度「CRAYON BOOK」に基づき、言語機能が急速に発達する1-2歳児を対象とし、言語機能の影響因子と発達過程を明らかにしていくことを目的として後ろ向き縦断調査を実施した。CRAYON BOOKには言語機能に関わる領域として「言語概念」および「言語的表現」が設定されている。「言語概念」と「言語的表現」とを繋げている要因として「身体的表現」(ジェスチャー)が関与しているかについても分析を行った。 調査対象は月齢17か月~20か月の間(平均月齢18.7±1.34か月)に測定を実施(1回目測定値)し、それから6か月以上が経過した後(平均月齢26.6±1.33か月)、再度、測定(2回目測定値)を行っている園児13名(男児5名 女児8名)とした。分析には主に1回目測定値と2回目測定値の「和」と「差」それぞれで実施した。その結果、言語概念には視覚概念および数的概念が影響し、言語的表現には音楽的表現と身体的表現が影響を与えていることが示唆された。さらに、言語概念から言語的表現への移行に身体的表現が介在している可能性が示唆された。この度の調査によって、1-2歳児の言語機能に関する発達過程の構造がある程度明らかにされた。

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© 2023 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
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