Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
ISSN-L : 2189-9185
実践報告
「惑星ソイルの物語」を糸口とした障害理解教育の実践
杉中 拓央 奥村 真衣子
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 8 巻 p. 82-90

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抄録

新学習指導要領の全面実施により、2007年の特別支援教育転換、2014年の障害者権利条約の批准等を踏まえた、インクルーシブ教育システムの推進が一層図られることとなり、養成課程の教員・学生はこれを十分に理解する必要がある。 そこで本研究は、障害をとりまく構造に対するメタファーとしての寓話であるStolov著「惑星ソイルの物語」を障害理解教育の教材として訳出することと、それを用いて、障害理解に資するグループワークを設計・実施した上で、その教育効果を検討することに目的を置いた。その結果、保育士・幼稚園教諭養成課程の講義において、障害という概念は各々の生活環境や視点によって異なるものになるということなど、障害理解教育の理解に一定の効果を認めた。さらに、その学習過程において、学生が相互に協調しながら作業を進め、自らと異なる意見に触れることで学びを深め価値観を新たにしていく姿に、教員養成における有用性が示唆された。

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© 2020 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
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