今日,電子ジャーナルのアーカイビングへの関心が高まり,様々な取り組みがなされている。アーカイビングをめぐる主な論点には,対象になるファイル形式は何か,コンテンツをいつ誰に対して公開するか,財源をどこから調達するか,がある。現行のアーカイブとしてPortico,オランダ国立図書館,PubMed Central,NII-REOがある。また,LOCKSSによる分散型のアーカイビング体制も普及しつつある。さらに,国立図書館による取り組みも複数の国で見られる。上に挙げた論点を念頭に置きながら各事例の現状を分析すると,それらが多様なあり方をしていることが改めて確認できる。将来展望としては,アーカイブ間での連携協力や,途上国の電子ジャーナルをアーカイビングの対象にすることが求められると考えられる。