抄録
中日や英日のように文法が大きく異なる言語間の翻訳を高精度化するための新しい統計翻訳技術について報告する。提案法では、入力文を構文解析して予め自動抽出した規則に従って、出力言語の語順に変換した後、自動学習による確率付き対訳辞書などを用いて訳語を選択する。この新技術は、特許文書のような長文においても高精度な翻訳を可能にする。平均文長が約 25 語のテスト文で、中日で翻訳率 80%、英日で翻訳率 85%という高精度を達成した。また、同技術を実装した翻訳エンジンが特許の異言語検索システムに組み込む形で 2013 年度初頭に事業化された。