特許発明における共同発明関係からネットワークデータを作成し,ネットワーク上のキーパーソンが,どのような研究開発活動を行っているかについて,国内メーカーの特許出願情報を対象にした分析を行った.本稿では特に,特許発明者に関する情報から,社内共同発明者を多くもつ社内スター (ゲートキーパーに相当) と,社外共同発明者を多くもつ社外スター (境界連結者に相当) の研究開発活動の現状を把握し,同一人物が両方のスター発明者を兼ねる可能性があるかについて検討を行った.その結果,社内スターは経験年数の多いベテランに,社外スターは中程度の特許数をもつミドルに多くいることが明らかになり,両者が組織内において情報収集・伝達活動に関する役割分担をしている可能性が示唆された.