抄録
ブラジルはBRICsの一員として、近年順調な経済成長を続けており、それにともない特許出願件数も増加傾向にある。しかしながら、ほとんどの分野で審査に10年を要していると指摘されている。また、ブラジル特許庁の公開する情報はポルトガル語表記であるため、ブラジル出願特許を検索する際に拠りどころとなるのは国際特許分類(IPC)である。ところが、IPCが十分に付与されているか、また、技術内容をきちんと反映していることを確かめない限り、信頼度の高い検索は期待できない。本報告では、出願後権利化までに要する期間とIPC付与の実態の2点について調査した。
調査の結果、出願から登録までに要する期間は分布があり、平均でも約9年になることが明らかになった。また、IPC付与の個数とその精度は、アジア諸国の特許庁で付与される場合よりは信頼性が高いと考えられるものの、IPC単独で検索するには十分でない。