抄録
近年世界最大の出願件数を有する中国特許文献を網羅的に調査することは、現地企業を中心とする中国市場での技術動向を把握する上で重要な意味を持つ。しかしながら、膨大な件数の特許情報の確認、分析に対して時間と工数の確保が課題となることは言うまでもない。
特許情報の内容を機械的に把握する手段としてテキストマイニングが有効であることは周知である。しかし、中国特許に対して有効に分析でき、かつ普及しているツールはまだ少ないのが現状である。
本報では中国特許に対して、中文環境下でテキストマイニング手法を用いて精度よく分析できる環境を模索する。特に、その中でもテキストマイニングのタームの抽出段階で極めて重要な「分詞(分かち書き)」に着目し、いくつかの入手可能なツールを比較評価するとともに、現状の課題も明らかにする。
加えて、選定したツールを用いて空調分野での特許を分析し、出願動向などの把握を試みる。