抄録
企業が事業計画や開発戦略を策定するにあたり、市場や企業、特許に関連する情報を分析することは必要不可欠となっている。但し、経営判断、開発投資に関するものが殆どであり、現場で活動する営業担当を対象としたものは少ない。そこで、本研究では、現場で活動する営業担当に対して情報提供するケースを想定し、情報収集から分析、情報提示までのスキーム設計を試みる。
本研究では、「加速度センサ」を製造する中小企業における営業戦略立案の場面を想定した。そこで、営業担当が戦略を練る際に有用となる情報資料の効率的な作成を課題と設定した。
研究の結果、営業情報として入手可・不可の情報を選別し、営業情報として情報をタイムリーかつ精度良く提示するために、特許情報を用いて顧客と競合を抽出し、さらに顧客・競合マトリクスを作成することによりターゲット顧客を特定し、顧客対比表、顧客情報カードを作成するスキームを提案した。