情報ネットワーク・ローレビュー
Online ISSN : 2435-0303
研究ノート
AI生成物の権利帰属に関する考察—行動の動機付けに着眼して—
阿部 真也
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2020 年 19 巻 p. 196-210

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抄録

AIについては社会的に様々な論考がなされているが、AIの新規性は知的創作物を自身で創作できることであると思われる。その為、このAIが生成した知的創作物が何者に帰属するかは大きな課題である。知的財産推進計画2017年及び同2019年では、AIを道具的に使用した場合は著作権が発生する一方、AIによる自律創作(AI創作物)の場合は著作権が発生しないとされた。しかし、両者の境界は曖昧であり、また著作権が発生しないAI創作物においても著作権法以外の観点から、何者に帰属するかを定める必要性がある。本稿は、知的財産推進計画の内容に言及しつつ、先行研究を調査し、それらを主に行動の動機付けの面から考察して、知的財産推進計画への提言を行うものである。

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© 2020 情報ネットワーク法学会
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