2023 年 1 巻 p. 65-77
2015年の観光庁によるDMO登録制度創設以来、多くのDMOが設立、持続可能な運営が求められているが、観光庁はその評価指標として画一的な「必須KPI」の設定を要件化している。本稿では、DMOの持続可能性を収益性と仮定し、観光庁公表の登録DMO「形成・確立計画」を基に、収益性と「必須KPI」の達成度を算出し、「必須KPI」はDMOの持続可能性に資するものであるのか、回帰分析を行った。その結果、有意な関係性は認められず、より詳細な業績指標の収集とより複雑化した回帰モデルの検討が必要であることが明らかになった。今後、DMOの持続可能性の向上には、画一的な「必須KPI」や経済的指標に留まらない各DMOに即した評価モデルの構築を図る必要がある。